いよいよ冬も近づいてきて、乾燥による髪のパサつきが一層気になりだした方も多いのではないでしょうか。
今月のコラムでは、fairplirのアウトバストリートメント「002 enrich hair serum」の主成分であり、パサついたり傷んだりした髪のケアにぴったりな成分「エルカラクトン」についてご紹介します。

「エルカラクトン」は、市販のトリートメント剤の多くに含まれる「陽イオン界面活性剤」とは全く異なるメカニズムで毛髪を改善してくれる、髪や地肌にやさしい補修成分。
「陽イオン界面活性剤」との違いも踏まえながらその特徴を解説していきますのでぜひご一読ください!
「エルカラクトン」ってどんな成分?
エルカラクトンは、日本精化株式会社が開発した毛髪アンチエイジング素材で、菜種をもとに作られています。
菜種の種子から得られる脂肪酸「エルカ酸」をもとに、扱いやすさを向上するためラクトン化した成分なので「エルカラクトン」と名付けられています。
特にエンリッチヘアセラムに配合している「エルカラクトンMCT*」は、植物原料のみでできているため非常に安全性が高く、安心して使用できる成分です。
*エルカラクトンMCT:全成分での表示名称は「γ-ドコサラクトン,トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル」です。

開発元の日本精化株式会社の報告によれば、この「エルカラクトン」を使用することで、
キューティクルのめくれ上がり改善
うねり・絡まりの抑制
毛髪のまとまりの改善
ハリ・コシ・ツヤの向上
湿気による毛髪の広がりの抑制
枝毛・切れ毛の抑制
すべり・しっとり感の向上
など、さまざまな髪悩みの改善にアプローチできます。
また、雨の日でも、髪を洗っても、これらの効果が長時間持続する点もエルカラクトンの特長です。
そして、エルカラクトンの何より大きな特長として、「熱を加えると毛髪表面に結合する」という性質が挙げられます。
詳しいメカニズムは後々ご説明しますが、通常であれば髪を傷める原因になるドライヤーやヘアアイロンの熱を味方につけて利用することができるのです。
この、熱を味方にできるところと、効果の持続性、そして成分としての安全性がエルカラクトンの特長であり魅力といえます。
一般的なトリートメント剤のデメリットとは
エルカラクトンの効果だけを見れば、「普通のトリートメントと何が違うの?」と思う方も多いかと思います。
確かに得られる効果は同じくらいか、人によっては一般的なトリートメント剤の仕上がりの方が好みという方もいるかとは思いますが、一般的なトリートメント剤では、その効果を得るために髪や地肌に負担を強いている部分が実はかなりあるのです。
エルカラクトンのメカニズムについて解説する前に、これまでのコラムの内容と重なる部分もありますが、一般的なトリートメント剤を使用することのデメリットについておさらいしたいと思います。

まず、ここでいう「一般的なトリートメント剤」というのは、「陽イオン界面活性剤」を含むトリートメント剤のこと。
ドラッグストアで販売されている安価なものから美容室などで提供されている高級なトリートメントまで、そのほとんどが「陽イオン界面活性剤」の特性を利用し髪をコーティングして仕上がりを作り出しています。
「陽イオン界面活性剤」は、髪をコーティングすることで、髪の水はじきをよくして髪をまとまりやすくしたり、髪をツヤツヤサラサラにしたりと、髪を美しく演出するさまざまな効果を発揮しています。
しかし、その一方でタンパク質変性の作用が強く(=髪や地肌への負担が強く)、また、電気的に髪に吸着するため残留性が高い点が問題として挙げられます。
使ってすぐに異変を感じる人は少ないですが、累積していくことでだんだんと髪質を劣化させ、地肌に炎症を起こすのが、この「陽イオン界面活性剤」を含むトリートメント剤を使い続けることのデメリットなのです。
今は大丈夫……どころか、サラサラで理想な髪に仕上げてくれる!と感じていても、何年も使い続けるといずれ髪悩みを引き起こす原因になってしまうため、できる限り使用を控えたいところ。
この「陽イオン界面活性剤」に頼らずに毛髪の状態を改善できるというのはエルカラクトンの大きな強みです。
「エルカラクトン」がキューティクルを補修するメカニズム
「健康な髪」「傷んだ髪」とは?
そもそも、「健康な髪」と「傷んだ髪」のキューティクルの状態をご存知でしょうか。
健康な髪のキューティクルは、乾いているとき*は綺麗に閉じて並んでいて、その一枚一枚の間には「18-MEA」と呼ばれる脂肪酸が、まるで接着剤のように存在しています。
*濡れているときは健康な髪でもキューティクルが開きます。

しかし、熱や紫外線などの外的刺激で髪がダメージを受けると、この脂肪酸が減少し、キューティクルはめくれ上がってしまいます。この状態がいわゆる「傷んだ髪」「ダメージヘア」です。
キューティクルがめくれ上がると、髪は疎水性を失ってしまうため、健康な髪ならはじく水分も吸収してしまい、うねりが出てきます。
また、必要な栄養は抜け落ちてしまうため、ツヤのないパサついた髪になってしまったり、切れ毛や枝毛が増えてしまったりとさまざまな髪悩みを引き起こすのです。
失った脂肪酸を補給&熱を味方に!
最初にもお話しした通り、エルカラクトンは菜種に含まれる脂肪酸「エルカ酸」由来の成分なので、キューティクルの間から減っていってしまった脂肪酸を補うことができます。
ダメージヘアの原因はキューティクルのめくれ上がり、キューティクルのめくれ上がりの原因は脂肪酸の減少なので、不足した脂肪酸を補給してあげることでキューティクルを補修し、健康な髪へと導くことができます。
マニキュアのようにコーティングすることで髪にツヤを出し質感を変化させる「陽イオン界面活性剤」とは全く異なり、傷んだ髪に不足しているものを補ってあげることでトリートメント効果を発揮しているのです。

そして、エルカラクトン最大ともいえる特長「熱を味方にする」こと。
これは、エルカラクトンが、ラクトン部分が熱エネルギーを得ることで解離し、毛髪が持つアミノ基と結合することで毛髪表面に結合するという性質を持つためそういわれています。
この性質のおかげで、先述のさまざまな毛髪改善効果を長時間持続させることができるのです。
ドライヤーやヘアアイロンは日常的に使う方の多いアイテムですが、やはり高温の熱をあてると髪は少なからずダメージを受け、脂肪酸を減らすことに繋がってしまいます。
そのダメージ源の熱を有効活用できるのはかなり嬉しいことではないでしょうか。
今回は、さまざまな毛髪改善効果を長時間持続させてくれるうえ、安全性も高い植物由来のヘアケア成分「エルカラクトン」についてご紹介しました。
何年後、何十年後もできるだけ綺麗な髪を保つためには、髪にいいものを与えるのも大切ではありますが、何よりも髪や頭皮に負担のないヘアケア剤を使うことが大切だと思います。
fairplirの「002 enrich hair serum」は、今回ご紹介したエルカラクトンやオリベムを主成分としており、他にも髪や地肌の負担になるような成分は一切配合していないこだわりの新発想アウトバストリートメント。
この季節、特に気になる髪の乾燥ケアにもオススメです!
この記事を読んでもしご興味を持っていただけましたら、ぜひ一度お試しください!
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ヘッドスパ美容研究家/深頭筋ヘッドセラピスト 山本幸恵(やまもと・ゆきえ) 「ヒーリングヘッドセラピー Tiphareth」オーナー。15年間美容師として勤めたのち、2006年から2013年までの7年間、東京白金台にてオーナーセラピストとして日本初となるヘッドスパ専門サロンを運営。同サロンは技術力、ホスピタリティともに業界第一位と言われるまでのブランドを確立し、ヘッドスパの第一人者と称される。独自で開発した「深頭筋マッサージ™」は多くのメディアに注目され、これまでに施術をした人数は3万人を超える。現在は東京新宿区でプライベートサロンを運営。サロンワークのみならずセミナーによる施術者の育成や美容化粧品シリーズ「fairplir(フェアプリール)」の研究開発にも力を入れている。 | ![]() |
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