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執筆者の写真山本幸恵

自然治癒力を引き出す!美肌へ導く「成長因子」とは?


私たちの肌は、多様な種類の細胞からできており、それぞれの細胞がお肌を美しく保つための役割を担っています。

また、定期的に新たな皮膚に生まれ変わる、「ターンオーバー」と呼ばれる仕組みを有しており、健康な状態であればダメージを受けてもまた美しい肌に戻す力を持っています。



その、お肌が本来持っているはずの、「自然治癒力=自らを健全に保つ機能」を正常に働かせるために存在する要素の一つが、細胞分裂の指令を司る「成長因子(Growth Factor)」というシグナル伝達物質。


成長因子(Growth Factor)」は、動物体内において、特定の細胞表面の受容体に結合することで、その細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称と定義され、別名「増殖因子」などとも呼ばれています。



美容医療にも用いられるほか、今では数多くの化粧品にも配合されている物質で、fairplirでも高濃度ペプチド美容液「003 GF-Concentrate」にバランスよくたっぷりと配合しています。



自然治癒力を引き出す「成長因子」


そんな身近になりつつある成長因子ですが、実際どんな働きをするものなのか知らない方もまだまだ多いのではないでしょうか。


というわけで、今回は美肌に関係する4つの成長因子について解説したいと思います!



 





 


表皮細胞に働きかける成長因子について



お肌のターンオーバーってどんな仕組み?

EGFのお話に入る前に、EGFが働きかける「表皮細胞」のもつ機能「ターンオーバー」について解説しましょう。



まず、「ターンオーバー」とは、「表皮」が一定の周期で生まれ変わる仕組みのこと。


表皮は、皮膚を「表皮・真皮・皮下組織」の3つに分けたときの一番外側の部分で、さらに細かく見ていくと「角質層(角層)」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つの層に分かれています。


表皮の構造

ターンオーバーは、この中の基底層で基底細胞が分裂し新たな細胞を生み出すところから始まります。


生み出された基底細胞は有棘層へと押し上げられ有棘細胞に、さらに顆粒層へ押し上げられれば顆粒細胞へと形を変えて、約14日間をかけて角質層まで辿り着き、角層細胞となります。


その後、角層細胞は角質層に約14日間とどまり、皮膚を保護する役目を果たしたのち、垢となって剥がれ落ちます。


これが表皮のターンオーバーという仕組みで、この「基底細胞から角層細胞まで形を変え生まれ変わる細胞」のことを「ケラチノサイト(角化細胞)」と呼びます。



表皮のターンオーバーは合計約28日間で繰り返されるのが理想的といわれていますが、さまざまな内的・外的要因によってその周期が乱れてしまうことも。


例えば、生活習慣の乱れや加齢によって基底細胞の機能や成長因子の数が低下すると、ターンオーバーは徐々に遅くなりますし、日焼けや肌荒れを起こしていればダメージを早く回復しようとしてターンオーバーは早まります。



ターンオーバーは、遅すぎると古い細胞が蓄積されてシミやニキビの原因になりますが、早すぎても乾燥しやすくなり肌荒れに繋がってしまいます。また、肌のバリア機能が損なわれるため、シワやたるみが目立ち始め、あらゆる肌悩みに影響します。


逆に、ターンオーバーの周期が整っていれば、お肌は自ずと美しさを取り戻すことができるため、ターンオーバーを正常に整えることは美肌を目指す上で大前提となります。




ターンオーバーを整える「EGF(表皮細胞成長因子)」

そんなターンオーバーを司る表皮幹細胞に指示を出して、ケラチノサイトをはじめとした表皮細胞を増殖させる働きを有するタンパク質が「EGF(表皮細胞成長因子)」です。


化粧品に配合されるときの表示名称は「ヒトオリゴペプチド-1(旧名称)」または「合成ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」。



対応する受容体が肌表面(表皮)に備わっており、その受容体と結合することで、表皮幹細胞に細胞分裂の指示を出し、ターンオーバーを促進してくれます。


お肌の生まれ変わりを促進するので、シミやくすみ、乾燥、肌荒れの改善に貢献する物質です。


ちなみに、「ターンオーバーを促進する」といっても、もともと体内に存在する物質で恒常性が働くため、必要以上に周期を早めたりするような作用はありませんし、成長因子は20歳を超えると急激に減少していくので、基本的には過剰摂取の心配はありません。


※乾癬など、ターンオーバーが異常な速度で進んでしまう皮膚疾患をお持ちの方は摂取を控える必要があります。



 


シワやたるみを改善する3つの成長因子



肌のハリやしなやかさを生む「FGF(繊維芽細胞成長因子)」

「FGF(線維芽細胞成長因子)」は、その名の通り「線維芽細胞」を増殖させる成長因子。


化粧品に配合されるときの表示名称は「ヒトオリゴペプチド-13(旧名称)」または「合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-11」です。



線維芽細胞というのは、表皮の奥の「真皮」と呼ばれる部位に存在する細胞で、コラーゲン線維、エラスチン線維、ヒアルロン酸など、美肌に欠かせない物質を生み出す、「お肌の母親的存在」とも呼べる細胞です。



真皮に存在しているため表皮に守られ安定しているようにも思えますが、表皮への刺激などの影響を間接的に受けることで乱れたり、加齢のせいで細胞そのものの数が減ったり、働きが衰えたりします。



母親である線維芽細胞が減少・衰退すると、お肌にしなやかさや弾力を与えているコラーゲン線維やエラスチン線維、ヒアルロン酸も減ってしまい、シワやたるみが出てきてしまいます


そのため、線維芽細胞の増殖を活性化するFGFも美肌に欠かせない成長因子なのです。



また、SODと呼ばれる抗酸化酵素を増やす働きもあるため、老化の原因となる活性酸素を抑制することにも繋がります。


真皮の構造

肌に潤いを与え弾力を生む「TGF(トランスフォーミング成長因子)」

FGFが線維芽細胞そのものの増殖を促す因子であるのに対し、コラーゲン線維やエラスチン線維などの結合組織の生成・増殖を促し、さらに構造も強化してくれるのが「TGF(トランスフォーミング成長因子)」。


化粧品に配合されるときの表示名称は「ヒトオリゴペプチド-14(旧名称)」または「合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-19」です。



結合線維で弾力を生み出すほかにも、肌に潤いを与える作用や、炎症を抑える作用も有している成長因子なので、シワやたるみの改善や、敏感肌の改善にも影響を与えます。




細胞の再生を助ける成長因子「IGF(インスリン様成長因子)」

「IGF(インスリン様成長因子)」は、ヒトの身体のほとんどの細胞に影響を与える成長因子で、主にダメージを受けた細胞の再生をサポートしています。


化粧品に配合されるときの表示名称は「合成遺伝子ヒトポリぺプチ-31(旧名称)」または「合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-31」。



IGFは、皮膚においても、損傷を受けた細胞を再生し、新しい細胞を生み出します

また、コラーゲン線維・エラスチン線維・ヒアルロン酸の生成を促すことで、お肌のハリ・弾力を高めてくれるため、上の2つの成長因子同様、シワ・たるみの改善にも繋がります。


また、ほかの成長因子の効果を高めてくれるのもIGFの大きな特長です。



 


成長因子と化粧品に関するQ&A



冒頭でもお話しした通り、成長因子は化粧品にも配合されており、美容業界でも注目の成分の一つ。


ここまでは成長因子そのものの働きについて解説してきましたが、ここではそんな成長因子と化粧品に関わる疑問について整理したいと思います。



fairplir 003 GF-Concentrate


化粧品で取り入れるメリット・デメリットは?

化粧品で成長因子を取り入れる利点には、皮膚にそれらの受容体が存在していることが関係しています。


化粧品の中には、コラーゲンやヒアルロン酸そのものを配合しているものもありますが、皮膚はそういった成分を取り込むための器官ではなく、また、化粧品は角質層までしか浸透しないと定められているため、実際にコラーゲンやヒアルロン酸が存在している真皮まで届いてその足しになるようなことはまずありません。



しかし、もともと体内で受容体と結合することで働く成長因子は、皮膚が受容体を持っています。


ゆえに、成長因子は外部からお肌に与えたとしても、受容体と結合できれば、間接的にさまざまな細胞に働きかけることができるのです。


また、お肌が本来持つ機能を引き出すことで美容効果を得られるため、持続力が高いのもメリットと言えます。



私たちの身体がもともと持っている物質であり、先述の通り多量に摂取しても必要以上に作用することはないので、特殊な疾患などがなければ副作用などのデメリットはありません




「サイトカイン」や「ヒト幹細胞培養液エキス」との違いは?

「成長因子」に関連して「サイトカイン」や「ヒト幹細胞培養液エキス」などの用語も耳にすることがあるかと思います。



このうち、まず「サイトカイン」とは、細胞に対して何らかの情報を伝達するタンパク質のことで、「成長因子」よりも定義が広く、多種多様な機能を持つ活性物質たちの総称です。


この「サイトカイン」の中で、特に細胞を増殖・分化させるシグナルを伝達するタンパク質のことを「成長因子」と呼んでいます。


(とは言いましたが、「成長因子」と呼ぶ物質の定義は歴史上何度か変化しており、非常に曖昧であることも事実です)



そして、「ヒト幹細胞培養液エキス」という成分も目にすることがあると思いますが、この「ヒト幹細胞培養液エキス」とは、ヒトの幹細胞を抽出して培養した際に分泌されるタンパク質成分が溶け込んだエキスのこと。


このエキスの中に溶け込んだタンパク質というのが、「成長因子」や「サイトカイン」のことで、「ヒト幹細胞培養液エキス」の中にはこれらが豊富に含まれています




濃い方がいいの?何種類も入っている方がいいの?

成長因子の働きを活かすためには、皮膚に存在する受容体に結合させることが不可欠です。


世の中には全成分に成分名を表示するためにほんのわずかだけ成長因子を添加したものも多く、高濃度と称される化粧品でも全成分の0.001%程度しか配合されていないものがほとんど。


どの程度の濃度があれば十分かということははっきりわかっておらず、持論にはなってしまうのですが、広いお肌に塗布する美容液の中に、ほんの0.001%しか成長因子が含まれない場合、受容体に結合する確率は非常に低いと私は考えています。



また、成長因子やサイトカインは実際の皮膚中に存在しているときのように多様な種類が混ざり合っている方が相乗効果が得られると考えられています。



つまり、きちんと成長因子を補いたいのであれば、高濃度でバランスよく複数の成長因子やサイトカインが配合された化粧品を選ぶことが大切なのです。



 


今回は、「003 GF-Concentrate」にも深く関わる、美肌に導くカギ「成長因子」について解説してきました。


成長因子は、若くて健康なお肌をお持ちの方であればわざわざ補う必要はありませんが、歳を重ねてお肌に自信がなくなってきた方にはぜひ取り入れていただきたい成分です。



GF-コンセントレートは「お肌の受容体に届けなければ意味がない」という想いで、成分全体の1%以上を成長因子やヒト幹細胞培養液エキスで満たした、妥協なしのこだわりの濃縮美容液。


今回のコラムを読んでご自身に「必要かも!」と感じられた方はぜひお試しください!




関連商品(クリックで商品詳細ページへ)

fairplir 003 GF-Concentrate


(GF-コンセントレート/全身用濃縮美容液)


25mL 税込¥19,800-



 
​監修者

​​​ヘッドスパ美容研究家/深頭筋ヘッドセラピスト 山本幸恵(やまもと・ゆきえ)


「ヒーリングヘッドセラピー Tiphareth」オーナー。15年間美容師として勤めたのち、2006年から2013年までの7年間、東京白金台にてオーナーセラピストとして日本初となるヘッドスパ専門サロンを運営。同サロンは技術力、ホスピタリティともに業界第一位と言われるまでのブランドを確立し、ヘッドスパの第一人者と称される。独自で開発した「深頭筋マッサージ™」は多くのメディアに注目され、これまでに施術をした人数は3万人を超える。現在は東京新宿区でプライベートサロンを運営。サロンワークのみならずセミナーによる施術者の育成や美容化粧品シリーズ「fairplir(フェアプリール)」の研究開発にも力を入れている。



山本幸恵




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